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■あらすじ■
星の誕生から千年。
精霊たちは、“死”というものを知らなかった。
誰もが続いてゆく日々を、終わりのない命を信じて疑わない中、“それ”は静かに、精霊界を侵蝕し始めた――
火の精霊ルーキスは、教育係のヒートに師事し、一人前の精霊になるべく修行に励む毎日を送っていた。
しかし、教育期間も終了を目前に控えたある日、ヒートのもとにある指令が下される。
精霊界に蔓延する現象――それはまるで、人間界で言う『病』のような――その原因と解決策の調査を請け負う調査隊第二陣への参加を、彼は命じられたのだった。
修行は一時休止とし、ヒートはルーキスに留守番を任せ旅に出る。
その背を見送った後、寂しさと退屈さにふてくされるルーキス。
ヘソを曲げているうちに眠ってしまった彼は夢を見る。
夜空に包まれているかのような、暗くて、でも明るくて、それ以外には何もない場所。
立っているのか座っているのかも分からずにいると、どこからか声が聞こえる。
何を言っているのかまでは聞き取ることができない。しかし、それは確かにルーキスに呼びかけている……
何度も繰り返し見ている夢。どうすることもできず、いつものように彼はそこで目を覚ました。
……はずだったが、夢から覚めても未だあの声が聞こえる。今度ははっきりと言葉が解る。
行かなければならない。そんな気がした。声の主と、何より彼自身の心の声がそう告げていた。
少年は剣を手に取り、師の後を追い駆け出すのだった。
突如としてもたらされた命の終焉。『病』の正体。使命半ばで壊滅した第一陣調査隊の最期。
それらを取り巻く真実と、夢の声が導く「ルーキス」の運命とは。
これは、繰り返す“生”の意味を知る物語。
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